【心を燃やせ】鬼滅の刃 無限列車編 レビュー

「アニメ映画でちょっとした幸せを」。

アニメ映画大好きブロガー古賀真夏です。

 

今の日本で社会現象になっているといっても過言ではない作品である「鬼滅の刃」。アニメから熱が加速したと記憶していますが、アニメ1期の続きである作品が映画化されました。今回は「鬼滅の刃 無限列車編」のレビューをします。

普段週刊誌を読まない私。正直な話、鬼滅の刃については全く知りませんでした。情報源となったのは長男でした。学校で友達から聞いたということで、凄く楽しそうに話してくれたのが「鬼滅の刃」との出会いでした。

アニメ1期鑑賞済み。漫画についても現在出版されている22巻まで購入済&読破済。残すは23巻のみですが、週刊誌を読んでいないため結末は知りません。

私的にはコロナの関係で半年以上映画館に行けていなかったので、久し振りに映画館に行けるということも含めて楽しみにしていました。

レビュー

ストーリー: 34/40

作画: 9/10

音楽: 10/10

演技: 8/10

惹き込まれ度: 16/20

心揺さぶられる度: 10/10

総括: 87/100(観るべき&感動を与えてくれる)

真夏式アニメ映画レビュー基準

2019年7月29日

あらすじ(HPより抜粋)

蝶屋敷での修行を終えた炭治郎たちは、次なる任務の地、《無限列車》に到着する。そこでは短期間のうちに四十人以上もの人が行方不明になっているという。

禰豆子を連れた炭治郎と善逸、伊之助の一行は、鬼殺隊最強の剣士である《柱》のひとり、炎柱の煉獄杏寿郎と合流し、闇を往く《無限列車》の中で、鬼と立ち向かうのだった。

レビュー

ストーリー 34/40

アニメ1期の続きとして創られた本作品。漫画での巻数で言うと7巻~8巻部分になります。まずもって言いますと、この部分をちょうど映画にするというチョイスが本当に素敵だと感じました。

ストーリーとしては「鬼を退治する」という作品全体を通しての根幹の柱があるため、その根幹をどのように魅せるかということになります。その部分も非常に巧みで、通常の「起承転結」に加えて更に「転結」が訪れる今作は観応えがとてもありました。

そして通常の「起承転結」の後の「転結」が本当に強い。始めの「起承転結」が前座になっていました。ただ、キャラクターの深堀り等も含めて必要不可欠な部分だということを考えると、やはり原作自体のストーリーが作り込まれたものだったのだなと思わずにはいられません。

夢の順番等少し気持ちが繋がりにくかった部分があったかなと思いますが、子どもたちにはとても好評だったみたいです。

既に次回作は映画なのかアニメ2期なのかという話も出ていますが、個人的にはこの部分以上に映画に適したストーリーはなかったのではないかと思っています。原作の一部分だけを抜いたと思えないほど簡潔にまとまり、そして強いメッセージを持った作品でした。

作画 9/10

映画作品の制作会社がufotableであり、直近に制作していた「Fate/stay naight[Heaven’s Feel]」の作画が本当に素晴らしかったので、作画については元々期待して観に行きました(Fateについては最終章をコロナの関係で観られていないのが哀しいですが…)。

結果は期待していた通り。どの場面においても違和感がなく、Fateでも絶賛されていたufotableの戦闘シーンですが、今作も凄く、綺麗さに魅入ってしまいました。漫画には漫画の良さがありますが、動くことによる映像でしか表現できない部分が相乗効果を生んでいました。

音楽 10/10

最初にお伝えしますが、正直採点が甘いです。これには理由がありまして、「ガルデモ(Girls Dead Monster)」の頃から好きだったLiSAさんと、個人的にはこちらの影響の方が大きいですが、作品全体に大好きな梶浦さんが関わっていらっしゃるということでどうしても甘くなってしまいました。

しかしながら、作品に使われている音楽に浮いた点などは一切なく、個人的な好き好みが10点満点の最後の一押しをしたというレベルです。全体的に作品を昇華させる音楽でした。

やはり特筆したいのはEDの「炎」。今作品の一番大事な「転結」の「結」をさらに引き立たせるEDは素晴らしかったです。たくさんの映画を観に行っていますが、エンドロールで席を立った人がここまで少なかった作品はなかなか記憶にありません。観客みんながED含めて作品に浸っていた証拠かと思います。

今回のEDが素敵だなと感じた方は、LiSAさんの「oath sign」「一番の宝物~ユイver~」。残念ながら解散してしまいましたが、梶浦さんがプロデュースされていた「Kalafina」の楽曲等はおススメです。もしよければぜひ。

演技 8/10

元々アニメ1期も全て鑑賞していたので、声に関しては違和感なくすっと入り込んでいけました。キャラクターとしても感情の起伏が激しいシーンの連続でしたが全く違和感なく、声優さんが透けて見えない素晴らしい演技でした。特に煉獄は文句なしでした。

一方で個人的に声の部分で入り込めなかったものもあったため、少し点数が減っています。漫画を読んでいた時点で自分なりのキャラクター像が出来過ぎていたためかもしれません。

惹き込まれ度 16/20

最後に訪れる「転結」部分は本当に目が離せないというか、作品に惹き込まれどっぷりと浸かっていました。それほどまでに展開に魅力がありました。しかも恐ろしいのが、展開を全て知っているにもかかわらずこの惹き込まれ具合。

その結果、社会現象になっている作品&公開から日が経っていなかったこともあり、観客も凄く多かったのですが、周りの観客も気にならなくなるほどに惹き込まれていました。

前半部分の「起承転結」部分についても、列車や夢の中の表現などを含めて映像が非常に綺麗に魅せてくれて、後半ほど惹き込まれるまではいかなかったですが、素直に楽しむことができました。

心揺さぶられる度 10/10

どうしても最後の「転結」ばかりに話がいくのが申し訳ないのですが、この部分での心の揺さぶられ方は本当に凄かったです。一つの作品を通してこんなに心を打たれるものなのか、何かを感じずにはいられないのかと驚きました。

また、前半部分でも炭治郎の夢の部分は来るものがありました。想像できないような絶望、まさに夢のような思い描いた景色。そこから這い上がる炭治郎の強さは胸を強く打たれました。

作画部分にも書きましたが、切れ目なく続く映像になることで、キャラクターのほんの少しの表情の機微だったり、仕草だったり、漫画に描き切れなかったものがあります。その部分が映画を通じてダイレクトに伝わり、心を揺さぶられました。抑えようとしても感情を抑えきれない。そんな感覚になりました。

総括 87/100

「私が間違っていた」。この作品を観終わって感じた素直な印象でした。正直今作品はストーリーも漫画で既読であり、話題性と子どもたちが行きたいと言ったのでまあ見てみようかなという感じがありました。かつてない社会現象と言われ、どこか斜めに構えていた自分がいたのかもしれません。

畳みかける映像。そして心揺さぶられる描写。いつの間にか煉獄の親の目線と重なり、漫画では目頭が熱くなった程度でしたが、劇場では抑えようとしても抑えられない涙が溢れそうになっていました。

周辺からもすすり泣く感じの音が聞こえ、すぐ近くからも嗚咽にも似た小さい泣き声が。周りを見渡すと長男が顔を覆いながら号泣。その姿を見て私の涙も決壊してしまいました。

私が初めて映画館で泣いた「ディープインパクト」を今でも覚えているように、長男にとってはこの映画がかけがえのない作品の一つになったのではないかと思います。

子どもには子どもなりに感じるものがあり、親には親として感じるものがある。こんなに幅広い年代の心を揺さぶることのできる作品はそう多くはないのではないでしょうか。

普段はアニメ映画を観ない方々や幅広い年代にぜひおススメしたい作品です。きっとそれぞれに感じるものがある素晴らしいアニメ映画の世界が待っています。

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