【人間と機械が紡ぐ心】ノーゲームノーライフゼロ レビュー

「アニメ映画でちょっとした幸せを」。

アニメ映画大好きブロガー古賀真夏です。

 

ライトノベル小説、所謂ラノベを原作としてアニメ化。そして映画化までされた今作。「ノーゲーム・ノ―ライフゼロ」をレビューします。

原作も非常に面白く、ゲームを主題としていて、知恵を振り絞りながらどのように強敵を倒していくのかを楽しむ作品です。映画化されるということでとても楽しみにしていた作品でもあります。本当にいろんな意味で期待を裏切ってくれました。

原作全て読破済。アニメも全話観賞しています。

レビュー

ストーリー: 36/40

作画: 8/10

音楽: 7/10

演技: 8/10

惹き込まれ度: 16/20

チョイス度: 10/10

総括: 85/100(観るべき&感動を与えてくれる)

真夏式アニメ映画レビュー基準

2019年7月29日

あらすじ(HPより抜粋)

願ったのは、共に生きることー

それは一切の争いが禁じられ、全てがゲームで決まる《盤上の世界(ディス・ボード)》が創造されるはるか以前の出来事。世界を統べる唯一神の座をめぐり、終わりの見えない大戦が続いていた時代。

天を裂き、地を割り、星さえも破壊し尽くさんとする凄惨な戦争は、戦う力を持たない人間たちに理不尽な死を撒き散らしていた。

強大な力を持つ様々な種族に追いやられ、存亡の危機に瀕する人間を率いる若きリーダーの名はリク。一人でも多くの人間が明日を迎えるために心を砕き、擦り減らす日々が続くある日、リクは打ち捨てられた森霊種(エルフ)の都で機械仕掛けの少女・シュヴィと出会う。

機械には持ち得ぬ心に興味を持ってしまったことでエラーを起こしてしまい、仲間たちから廃棄されてしまったシュヴィは、エラーを修正するため、リクに《人間の心》を教えてほしいと頼むのだが……。

これは六千年以上もの昔に紡がれた《最も新しい神話》へと至る《最も古き神話》。記録にも記憶にも残らない、誰にも語られることのない物語が今、幕を開ける——。

レビュー

ストーリー 36/40

今回の作品に該当する原作自体の物語の出来が素晴らしいのが根本としてはありますが、その物語を忠実に映像化したという部分がこのレビューになった大きな要素です。原作のある作品の映画化は、結構オリジナル要素を追加してきたり、アレンジが加わったりということがあります。しかしながら原作をしっかりと活かした創りになっていました。

ストーリー展開としても序盤でのしっかりとした現状の説明、中盤から終盤にかけて盛り上がっていく流れは、まさにクライマックスを楽しめる起承転結がしっかりしている王道的なストーリーになっていました。

そしてその起承転結にキャラクターの感情、輝きが重なって描かれる。見事に相乗効果もある作品だったと思います。

作画 8/10

まずもって世界観の表現がとても素晴らしく圧倒されました。絶望、希望、様々な場面で移り変わりますが的確に表現されていたと感じます。

特筆したいのが戦闘シーン。迫力、スピード感、そして良い意味でキャラクターがぬるぬる動く。本当に手間をかけて手掛けたということが観ていて分かる戦闘シーンでした。この部分を観ることができただけでも満足しかけた私がいました。

音楽 7/10

最初にお伝えしたいのですが、私アニメ版の「ノーゲーム・ノ―ライフ」のオープニングが大好きで、映画館の迫力で聴けることができるかなと楽しみにしていました。しかし残念ながら映画版での採用は無し。ぜひ劇場で大音量に包まれて聴きたかったですね。

だからと言って劇中での楽曲が劣っていたかというとそういうことではなく。しっかりと作品を活かす楽曲になっていたと感じました。

演技 8/10

アニメ版の主役2人は出てこないけれども、映画版の主役2人と声は同じ。そのような要素もあり、キャラクターとして非常に受け入れやすかったです。原作の舞台の昔の話、前日譚ということでこのようなキャストにしたと思うのですが、私的にはどハマりでした。

最初から最後まで全く違和感なく物語、そしてキャラクターの心情に寄り添うことのできる素晴らしい演技でした。

惹き込まれ度 16/20

まずもってストーリーの出来が良いので見入ってしまいました。そのストーリーに加えて世界観の演出、そして白熱した戦闘シーンと退屈することがありませんでした。

原作を読んでいるのでストーリーは分かっているのですが、それが映像化されることでこんなにも惹きつけられるのかと驚愕しました。もちろん作画、音楽等の全ての演出が良かったからということは言うまでもありませんが。

良い意味で原作を読んでいた時に私が思い浮かべていた情景を塗り替えてくれた作品でした。

チョイス度 10/10

原作も巻数が増えてきて名場面が多くなってきている中、よくこの場面に焦点を当てて映画化したなという感嘆です。原作の主人公の物語ではなく、この物語(原作では6巻)をチョイスしたセンスに脱帽です。その他の余計な情報も一切なく完全な特化型。だからこそここまで素晴らしい作品が出来上がったのだと感じます。

原作があるものについては、どのような内容をどのような形で映画化するというのはとても重要です。その部分に主役を外すという最適な形で切り取った稀有な例だと思います。内容が素晴らしかったからこそというのもありますが、その主眼に満点!!

総括 85/100

主題になっていたのは「心」。人間と機械。その関係性を描くことで「心」というものを強く感じさせてくれる作品でした。現実離れした世界観で描かれる人間としての生き様には、強く心を揺さぶられました。一人の青年が出会うべく人(機械)と出会い、自分にできることをお互いに模索しながら共に前に進んでいく。その過程には私も学ぶことが多くありました。

アニメ映画でしか描くことのできないアプローチで現世に生きる観客に想いを伝える。そのような素晴らしい作品でした。

ちなみに原作、アニメ版を観ていなくても理解できるとは思いますので、「ノーゲーム・ノ―ライフ」シリーズが初めての方でも安心して楽しめます。原作まではいかずともアニメ版を観ているとより楽しめるかなという印象です。ただ原作もアニメ版も下ネタ要素が少し多いのが私としてネックですが…。

映画版「ノーゲーム・ノ―ライフ」。ぜひ時間が許せば観ていただきたい作品です。自信を持っておススメします。

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